西塩子の回り舞台とは??

西塩子の回り舞台の歴史とあり方について








「西塩子の回り舞台」は、茨城県常陸大宮市西塩子地区に伝えられてきた、江戸時代後期の道具ものこる組立式の農村歌舞伎舞台です。舞台、回り舞台、花道の床板などの部材と、舞台背景や各種の幕などの道具を保有し、組立てごとに柱や束に使用する材木と、屋根などに用いる真竹を伐り出して舞台の材料とし、一ヶ月ほどかけて客席の間口・奥行きとも20mもの舞台を組上げてきました。芝居は専ら他所から役者を招いて行う買芝居でした。


 しかし、戦後の混乱と様々な娯楽の普及によって、昭和20年を最後に地元での舞台組立は行なわれなくなり、舞台はひっそりと倉に眠っていました。平成3年度に行なわれた大宮町歴史民俗資料館の調査がきっかけとなって、貴重な文化財であることが判明し、平成6年に西塩子の回り舞台保存会を結成。西塩子地区の全世帯が会員となって、舞台の復元に向けて視察や話し合いを重ね、平成9年に舞台復活にこぎ着けました。


復活までの道のりはけっして平坦ではなく、ほとんどが兼業農家の70戸ほどの小集落で、今なぜ歌舞伎舞台を復活するのか、その意義を見出し納得するまでに長い時間を要しました。そして苦労の末取り組んだ舞台組立は地域コミュニティの再生につながり、3千人もの観客を集めたことはふるさとと自分たちへの自信となりました。


今年茨城県で開催される国民文化祭での公演で、復活から6度目の舞台組立となります。保存会ではこの12年の間に、地芝居一座「西若座」の結成、塩田小児童の歌舞伎取り組みへの働き掛け、市内全域の子どもたちを対象とした常磐津伝承教室の実施なども行なってきました。また、積極的に舞台の組立や舞台道具・衣裳作りにボランティアを募り、多くの人々の協力を得ながら活動を継続しています。このような活動が評価されて、ふるさとイベント大賞やサントリー地域文化賞、ティファニー文化財団伝統文化振興賞などを数多く受賞しました。しかし、保存会結成から10年以上が経過し、舞台を継承して行く新たな目的をさがす時期に来ています。多くの皆様の、ご意見やご提案をお寄せいただきますようお願い申し上げます。






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